まいの雑記帳

Hide My Emailのドメインが変わるので、また悩んでいる

投稿した日
2026/06/20
読了まで
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# はじめに

どうも、わたしです。

以前、独自ドメインでのメールアドレス運用をやめ、Hide My Emailに移行した話🔗という記事を書きました。「自前運用もSESも全部やめて全てをHide My Emailに寄せたよ〜」という話です。

で、そのHide My Emailなんですが、先日、生成されるアドレスのドメインが@icloud.comから@private.icloud.comに変わると発表されました。すでに発行済みのアドレスは引き続き転送されるらしいので、過去の登録が消えてしまうわけではないのですが、これから作るぶんが別ドメインになる時点で、わたしにとっての価値の大半は消し飛びます。

さて、困りました。

# なにが困るのか

わたしがHide My Emailを愛用していた理由は、大きく二つあります。

プライマリのアドレスと紐付けずにサービスごとに使い分けられること、そしてicloud.comのドメインパワーに肖れることです。

特に後者が大きくて。
そもそもHide My Emailを嬉しく思っていたのは、生成されるアドレスが普通のiCloudユーザと見分けがつかなかったからでした。受け手からすればただのiCloudユーザーにしか見えないので、後述する特定の大手ドメインしか受け付けないみたいな邪悪な実装も平然と通過できていました。それが@private.icloud.comになると、受け手がHide My Emailを判別できるようになってしまいます。

要するに、機能が成立していた前提をApple自身が手放しにきているわけです。プライバシ機能を名乗っておいてこれは、なかなかのものだなと思います。

で、世の中には、GmailとiCloud(国内だとヘンテコ仕様なキャリアメールなんかも)以外のドメインを弾くようになっているサービスがそこそこあります。Pi○tLinkなんかがそうですね。こういう邪悪な実装のところでは、icloud.comが使えること自体が最大にして唯一の利点でした。正直、わたしはこの一点のためだけにiCloud+へ課金していたと言っても過言ではありません。

プライバシがどうとかいう高尚な理由ではなく、純粋に弾かれないための月額だったので、ここがなくなってしまうのはとても苦しい。

# そもそも独自ドメインのメールって旨味あるの

「じゃあ独自ドメインに戻せば」という話になりそうですが、わたしはこのご時世に個人で独自ドメインのメールを持つ旨味、あんまりないと思っています。理由は二つ。

一つは、メールサーバを自前で持つハードルが高いこと。
ここで言うハードルは、構築の手間のことではありません。安定して長期運用できること、そしてレピュテーションを健全に保ち続けられること。実際のところ、メールサーバを立てるだけなら誰でもできるのですが、問題はそこから先で、送信ドメイン認証を整えて、IPを腐らせないように気を遣って、ある日突然どこかにブロックされても対処し続ける維持のほうが本体なんですよね。一度評判を落とすと戻すのも大変だし、これを個人で延々とやる価値があるかというと、正直微妙です。

そもそもASN単位でブロックリスト入りすることも往々にしてあるので、根本的解決を図るにはASNを取得しIP割当を受けるしかない気がします。あまりにも不毛です。

もう一つは、結局外部のプロバイダに乗せるなら独自ドメインの旨味は薄いこと。
SESなりWorkspaceなりに任せるなら、配送やレピュテーションの面倒は向こうが見てくれる代わりに、自分が握ってるのはドメイン名といざとなれば乗り換えられる安心感くらいになります。それはそれで価値がないこともないのですが、Hide My Emailの大手のドメインに乗れることとはそもそも別の話です。

もちろん利点もあって、スパムが来たときにどのサービスがお漏らしたか分かるとか、普段使いのアドレスを隠せるとか、管理が幾分か楽になるとか。でも正直、どれも過去のHide My Emailを超えることはないように思います。

# Gmailのサブアドレスも微妙

Gmailのエイリアス(※1)を使う手もあります。

ただこれ、同一人物への到達性を保証しなくていいスパムであれば、local partのuser部だけ抽出して(厳密ではないにせよ)送れてしまうんですよね。少なくとも私ならそういう実装をしますし、多くの人がそう考えると思います。Separator character sequence以降を捨てれば届いてしまうので、使い捨てアドレスとしては心許ない。かなり微妙。

# で、結局どうするか決まってない

整理すると、わたしが欲しいのは三つです。プライマリのアドレスを隠せること、サービスごとに分けられること、そして邪悪な実装を通れること。最初の二つは代替がいくらでもあるのですが、問題は三つめで、これを満たせる選択肢が驚くほど見つかりません。

一応、候補は一通り眺めてみました。

addy.io🔗SimpleLogin🔗のようなエイリアスサービスは、マスキングも使い分けも完璧。しかし、相手に渡すアドレスは結局そのサービス自身のドメインになるので、@addy.ioとか@simplelogin.ioをGmail/iCloud/ヘンテコキャリアメールしか通さない許可リストが受け入れてくれるわけがありません。ついでにSimpleLoginはProton傘下で、わたしはProtonが好きではないので却下。

独自ドメインを自前運用したりWorkspaceに載せたりする手も、同じ壁に当たります。受け手が見てるのはドメイン名の文字列であって、誰がホストしてるかではないため、どれだけ真っ当に運用されてようと、icloud.comでもgmail.comでもない以上、リテラル照合の前では無力です。Googleのインフラに乗せようが、自分のドメインである事実は変わらないので。

iCloudの素のエイリアス(Hide My Emailではなく、@icloud.comを最大3つ作れるやつ)は、ドメインが本物のicloud.comのままなので許可リストは通ります。これはうれしい。しかし、3つしか作れないうえ、3つ埋まった状態で1つ消すと次を作るまで7日待たされるようで、使い捨てとして回すには微妙です。

規約上どうかは知りませんが、転送専用のGmailアカウントを量産する手も思いつきました。(思いついただけでやってないので叩かないでください)これなら渡すのは正真正銘の@gmail.comで許可リストも確実に通るし、数も稼げそうです。しかし、アカウントごとに電話番号認証だの複数アカウントの取り回しだのが付いてくる上、Googleの機嫌次第でまとめて凍結される可能性も拭えず、得られる体験のわりに管理コストとリスクが釣り合っていません。無念。

という具合に、どれを取っても過去のHide My Emailには届かないんです。結局わたしが失おうとしてるのは、「大手のドメインに、ほぼ無限に、片手間で乗れる」という、よく考えるとかなり贅沢な状態だったんだなと。
しかもApple側が仕様としてやめると言ってる以上、こっちの工夫でどうこうできる話でもなく。すごく普通に困ってます。

そもそもみなさん、メールアドレスの運用ってどうしてるんでしょう?
いい感じの方法があったら本当に教えてほしいです。


※1 RFC 5233ではSeparator character sequence + Detailであって、これがエイリアスでないことは理解しています。が、(腹立たしいことに)慣習上そう呼ばれることが多い(らしい)のでここでもそう呼んでます。

蛇足ですが、"Separator character sequence"という言い方をすると、何らかの形で明確に分離された構造になっているように聞こえますが、実際にRFCが言ってるのは「UserにDetailを加えたアドレスをUserにルーティングできる」くらいのことでしかなくて、RFC 5321/5322が「local partの解釈は受け手のソフトウェア次第」ってスタンスなのに対して、RFC 5233はlocal partの形式の例として「local part=userってわけじゃなくてぇ」みたいな話をしてるに過ぎません。広げてるように見えて制限してる規格かと思いきや、その実なにも制限してない用語と用例が出されてるだけのものなので誤解しないようにしてくださいね。

そもそもエイリアスは原初から全く別の機能の名称として存在してるので、この呼び方にはずっと不満があります。

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