Windowsが嫌いになったのでMacを買った
はじめに
最近のWindows、本当にキモくないですか?
Windows 8.1あたりまではそこまで嫌いではなかったのですが、最近はどうもダメで。
Hyper-VもPowerShellも全部生理的に受け付けないし、直近のKB5063878とKB5062660で、もう完全に心が折れました。
Windows嫌い
私がWindowsに対して感じるようになった不快感は、一つのことに起因するものではなく、複数の複合的な問題によるものです。
まず、PowerShell。
その設計思想自体が、私には冗長に過ぎると感じられます。
多くのUNIXライクなOSが採用する「小さなツールをパイプで繋いで大きなタスクをこなす」という思想は、テキストストリームという共通のインターフェースを持つことで、高い再利用性と柔軟性を実現しています。
対して、PowerShellは構造化されたオブジェクトをパイプラインで渡すことを是としますが、これは単純なテキスト処理を行いたいだけの多くの場面において、過剰な設計です。
ls
に相当するコマンドがGet-ChildItem
であることに代表される冗長な命名規則は、書いていて心地のいいものとは到底言えません。
また、curl
のエイリアスとしてInvoke-WebRequest
を割り当てておきながら、その挙動、特に引数の解釈が本家と全く異なるのは、利用者の混乱を招くだけの愚かな設計だと断じざるを得ません。
さらに言えば、その言語仕様の一貫性のなさには、強い嫌悪感を覚えます。
先日、このような事態に遭遇しました。
New-Object List[ String[] ]
これはエラーとなります。
しかし、角括弧と型の間のスペースを削除した以下のコードは、正常に解釈されます。
New-Object List[String[]]
構文解析の実装上の都合なのかもしれませんが、このような些細な空白の有無で挙動が変わるのは言語設計として稚拙ですし、ユーザー側がこのような予測不能な地雷を避けながら利用することを強いられるのは、あまりにも邪悪です。
そして、もっと根源的な部分。
改行コードがCRLFであることと、パス区切り文字がバックスラッシュであること。
もう、本当に気持ち悪い。
開発をしていると、このCRLFの呪いが常に付きまといます。
LinuxやMacで書かれたシェルスクリプトは改行コードの違いだけで動かなくなり、差分には常に^M
が表示される。.gitattributes
で* text=auto eol=lf
と書くのが、もはやWindowsで開発する際の必須のおまじない。
なぜ、2025年にもなって、こんなことで消耗しなければならないのでしょうか。
パス区切り文字のバックスラッシュも同様です。
プログラムの中でパスを文字列として扱うたびに、エスケープ処理が必要になる。
あーーーー気持ち悪い
WSLもまた、わたしにとっては受け入れ難いものでした。
「Windows上でLinuxが動く!すごい!」と多くの人がその利便性を称賛しますが、私にはどうしても、そこまで優れたものとは到底思えませんでした。
Windows側からダウンロードしたファイルをWSLに持っていくと、ファイルのメタデータとして:Zone.Identifier
のようなNTFSの代替データストリームが露出して、ただただ邪魔。
ファイルマウントのパフォーマンスも最悪で、pnpm i
でもしようものなら、ディスクI/Oがボトルネックになって時間が溶けていく。
挙句の果てに、コンテナとホスト間のネットワーク接続の仕様も不透明で、どうしてそんな挙動になるのか直感的に理解できない。
純常に一枚、分厚くて気持ちの悪い抽象化レイヤーを挟んでいる感覚が、生理的に受け入れられませんでした。
勘違いしないでほしいのですが、わたしはMicrosoftという企業そのものが嫌いなわけではありません。
Active DirectoryやEntra ID、Intuneは好きですし、C#も嫌いじゃないです。
SMB/CIFSだって普通に使います。
わたしが嫌悪しているのは、あくまで現代のWindowsというOSであり、無駄にしゃしゃり出てくるHyper-VやPowerShell、そしてWSLといった、UXを損なう要素群です。
そして、トドメにKB5063878とKB5062660。
これらのアップデートには、特定のSSDに対して数十GB単位の大容量データを連続して書き込むと、ドライブがアクセス不能になるという致命的な不具合が含まれていました。
メモリリーク起因の問題なようですが、DRAMレスのSSDを使っているのでたまったもんじゃありません。
私の認識では、OSはその上で動作するアプリケーションやユーザーデータに対して、安定した基盤を提供することを第一の責務とするソフトウェアであったはずなんですけどね。
そのOS自身がハードウェアを破壊しうるというのは、もはや本末転倒です。
話になりません。
Linuxへの回帰
「もうこんなOSとは付き合っていられない」
そう思い至り、原点回帰を試みました。
もともと私が自作PCを始めたのは、Linuxを自由に触りたかったから。
あの頃のワクワク感を、もう一度。
そう決心し、メイン機をArchへ移行する準備を始めました。
しかし、ここで大きな壁にぶち当たります。
After Effectsが、まともに動かない。
Wineや仮想マシンといった手段も検証しましたが、まともに動かなかったというのが結論です。
Macを買おう
「ほんじゃMacBookでも買おうかなー」
半分冗談、半分本気でそう呟いたのが、全ての始まりでした。
選択肢が他にないのですから、もう前に進むしかありません。
先日、ついに購入してしまいました。
MacBook Pro (14-inch)

高かった。本当に。
今年の4月に今のデスクトップを組んだばかりなので、割と迷いました。
なんせ、総額80万円弱。
中古の軽自動車が余裕で買えてしまう。
怖いですね。
ちなみにこんな構成。

なんとこれ、ストレージ以外すべて最大構成です。
怖いですね。
注文ボタンを押してから数日間、本当にこの選択が正しかったのか、自問自答をしていました。
80万円という金額は、私を含む多くの人にとってかなり大きめな金額であり、ただただ数字の羅列にしか見えません。
しかし、手元に届き、ずしりと重い箱を開封した瞬間、そんな不安はどこかへ吹き飛んでいました。

まず、nano-texture displayが、想像以上にめっちゃ綺麗でした。
私はノングレア信者なのでこれはいい。めっちゃ好み。
次に、バッテリー性能。
正直、このクラスの性能を持つラップトップのバッテリーには全く期待していませんでした。
しかし先日、高負荷な作業を7時間ぶっ続けでやってみても、バッテリー残量は40%ほど残っていたのです。
手元にあるM1 Airのバッテリー持ちと比較すれば当然見劣りしますが、実用上は十分すぎる性能です。
その辺にある適当なゲーミングラップトップとは対照的ですね。
さいごに
もちろん、Macが全ての利用者にとって最適な解だと言うつもりはありません。
独自のUI作法なんかは、一部のユーザーにとっては明確な欠点でしょう。
しかし、私にとっては、Windowsの不合理等に無駄なリソースを奪われることなく、本来の作業そのものに没頭できる環境は、対価を支払うに値するものでした。
買って満足できたので結果的にはいい買い物だったと思うことにします。