まいの雑記帳

さようならVercel, こんにちはGCP

投稿した日
2026/01/13
読了まで
3.62分で読み終われます (2,173文字)

こんばんは。あるいはこんにちは。

実はお気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、このサイト、数ヶ月前にインフラのお引越しをしています。暫くお世話になっていたVercel基盤を離れ、現在はGCPの上で稼働しています。移行作業からしばらく経ち、運用も安定していて特に問題なさそうなので、ここらで重い腰を上げて移行の経緯でも書き残しておこうかなと思います。

今回、以降に踏み切った理由はいろいろとあるのですが、きっかけとして大きかったのは、単純にVercelの無料枠を使い果たしてしまったことです。個人の趣味サイトとはいえ、トラヒックが増えればリソースも食いますし、記事数が増えれば(移行当時は部分的にSSG構成だったので)ビルド時間も伸びます。もちろん、お金で殴ってプランを上げてしまえばそのまま使い続けることは造作もないことなのですが、そこでふと損得勘定が働いてしまいました。毎月10USDを固定で払うくらいなら、必要な分だけ課金されるCloud Runで動かした方が、結果的にはお財布に優しいしお得なんですよね。

そして2つ目。実はこっちの方が心情的な割合としてはかなり大きいのですが、VercelのCEOであるGuillermo Rauch氏の倫理観に対して、どうしても拭えない不信感を抱いてしまったという点です。ご存じの方も多いかと思いますが、彼がイスラエルのネタニヤフ首相と会談し、ML技術について議論を交わし、その後に満面の笑みで撮影したセルフィーをTwitterに投稿したあの一件です。

相手は国際刑事裁判所から指名手配を受け、ガザでのジェノサイド容疑もかけられている人物です。政治的なスタンスは人それぞれあるにせよ、公人として、tech企業のトップとして、そのセルフィーを世界に発信することの意味をどう捉えているのか。本当にこの人の倫理観はどうなっているんだろうと、背筋が寒くなるような思いでした。

「たかが個人の趣味サイトなんだから、プラットフォームのCEOの思想なんて関係ないじゃん」と言われればそれまでですし、別にわたしのサイトは法人の看板を背負っているわけでも、社会的な信用を切り売りしている商売でもありません。実害は全然ないんです。でも、それはそれとして、一度すこしでも嫌悪感を感じてしまうと、それ以外の部分まで全部が色褪せて見えてしまうのものです。所謂、坊主憎けりゃ袈裟まで憎いというやつです。

そうなると不思議なもので、元々は妥協していた小さな不満が、急に許せなくなってきます。例えば、NuxtImgを使った画像最適化の取り回しについて、Vercelプロバイダを利用するときだけ妙に設定が面倒だったり、挙動に癖があったりして、結局対応するのが億劫でipxを利用して回避していた事なんかが思い出されます。

あとはあれですね、令和の現代においても未だにIPv6をネイティブでサポートしていない点とか。先進的なフロントエンド体験を謳っているプラットフォームなのに、足回りのネットワークに関しては意外と適当なんだなと、以前から感じていた違和感が嫌悪感に変わりました。そういう小さな「うーん」という澱みのようなものが積み重なって、最終的に「もう全部嫌だ、引っ越そう」という決断に至ったわけです。

移行先にGCPを選んだ理由は至ってシンプルで、安くて使いやすくて、なんとなくいい感じだからです。ありがたいことに無料枠もそれなりに充実していますし、貧乏開発者には優しい環境が整っています。

ちなみに、このサイトを作り始めたちょうど1年くらい前は、Cloudflare Workersを利用していました。なので今回もWorkersに出戻りすることを真っ先に検討したのですが、いざ検証してみると壁にぶつかりました。現在の構成がNode.js依存の実装を含むライブラリとズブズブの関係になってしまっており、Workersのランタイム環境では動かすのが厳しかったのです。加えて、仮にPaidプランにしたとしても、ランタイムサイズの制限を大幅に超過してしまうことは明白でした。

あれこれ悩んだ結果、CockroachDBがちょうどGCP上にあったこともあり、それならアプリケーションも同じGCPに置いてしまった方が合理的だという結論に達しました。結果的に、GCPへの集約は正解だったと思います。

インフラの構築に関しては、例によって私はGUIの管理画面をポチポチして手動で設定するのが大嫌いなので、今回も全てTerraformを使ってIaC化しています。人の温もりを感じるインフラなんて、いつ壊れるかわからない時限爆弾みたいなものですからね。

あ、そうそう、ついでにGoogle Fontsもやめました。Lighthouseのパフォーマンススコアの足を引っ張っていて邪魔だったので思い切って削除したのですが、代わりのシステムフォントはどうにも気持ち悪くて、納得できませんでした。結局、Adobe Fontsを導入してFutura-PTを利用することにしました。そのせいで削除前よりもLighthouseのスコアは低下してしまったのですが、見た目が圧倒的にかわいくなったのでよしとしています。

最適化については、またいつか気が向いた時にでも頑張ろうと思います。

それでは。