UDM-Pro環境で一部のサイトがタイムアウトしていた
はじめに
私の家ではUnifi Dream Machine ProでPPPoE接続をしているのですが、特定のトラヒック(主にGitHubとLINE)が著しく遅延し、タイムアウトする現象が発生していました。
環境
UniFi Dream Machine Pro(UniFi OS 4.1.22)
事象の発生と初期対応
前述のとおり、わたしの自宅ではUDM-Proを利用しています。
ある時期からGitHubへのアクセス時に顕著な速度低下が発生するようになりました。
初期対応として、広告ブロックに利用しているNextDNSが影響している可能性を疑い、一時的に無効化しましたが、状況に変化は見られませんでした。
原因の特定には至らず、いくつかの設定変更を試みましたが、解決の糸口が見えない状況が続いていました。
解決策の調査を進める中で、Ubiquitiの公式コミュニティフォーラムにて、このような投稿を発見し、MSS Clampingの設定値を見直すことに至りました。
https://community.ui.com/questions/MTU-on-UDM-PRO/10f1a26a-3c0b-4ae8-94c2-cea8054255f5
作業内容
UDM-ProのMSS Clampingを有効化、Max TCP Connection Segment Sizeの値を1414に固定しました。
(設定項目はConsole > UniFi Devices > UDM Pro > Settings > MSS Clamping
にあります)

この1414という値は、一般的にフレッツ光のPPPoE接続におけるMTU値である1454バイトから、IPヘッダ(20Byte)とTCPヘッダ(20Byte)のサイズを引いたものです。
MTU(1454) - IP Header(20) - TCP Header(20) = MSS(1414)
このMSS値を適切に設定することで、パケットの不要なフラグメンテーションを防ぎ、通信効率の低下を避けることが期待できます。
上記の設定変更を実施した結果、問題となっていた遅延は解消され、安定した通信速度が確保できるようになりました。
今回の経験から、ネットワーク機器の細かなパラメータ設定が、特定の条件下で通信品質に大きな影響を与える可能性があることを改めて認識しました。
特にPPPoEのようなトンネリングプロトコルを利用する場合、MTUやMSSの扱いは重要であり、環境に応じた適切な設定が必要となります。
同様の環境で特定の通信に問題を抱えている場合、このMSS Clamping設定の見直しが一つの有効な対策となるかもしれません。
ただし、ネットワーク環境は多岐にわたるため、これが全てのケースに当てはまるわけではない点は留意が必要です。